食品工場の補助金はどっち?農林水産省 vs 経産省を徹底比較【中間ゾーンの真実】

補助金 申請

食品工場が補助金を調べると、必ず直面する疑問がある。
「経産省の補助金と農林水産省の補助金、うちはどっちが向いているのか?」

結論はシンプルだ。
食品工場の8割以上は、農林水産省系の補助金のほうが構造的に適合する。

理由は、両省の政策目的・制度設計・投資規模・賃上げ要件が根本的に異なるからだ。
この記事では、その違いを“食品メーカー視点”で徹底的に解説し、あなたの投資判断を迷いなく進められるようにする。

目次

まず“省として何を目指しているか”を比較する(最重要ポイント)

1-1 経済産業省の政策目標

経済産業省は、日本全体の産業競争力を押し上げることを使命としている。

  • 生産性向上
  • 高付加価値化
  • DX・先端設備の導入
  • 収益性の向上

つまり、経産省補助金は「成長率・収益性重視」の補助金である。

“経済を押し上げる企業” が対象であり、食品工場の“安定供給型の投資”とは思想が異なる。

1-2 農林水産省の政策目標

農林水産省の目的はまったく違う。

  • 国産原料の強化
  • 食料安全保障
  • 農業×加工×地域産業の付加価値化
  • 食品・一次産業の底上げ

農林水産省補助金は「地域性・食品連携重視」の補助金である。

食品工場は、

  • 地元原料の受け皿
  • 加工による付加価値の源泉
  • 地域雇用の中心

これらの役割を持つため、「農水省の政策のど真ん中に位置づけられている」と言える。

補助金制度にどう反映されているか(制度の思想そのものが違う)

2-1 審査の価値観

経産省と農水省では「何を評価するか」が根本的に異なっている。

経産省の価値観(攻め)

  • 成長率
  • 収益性
  • 革新性
  • 経済の波及効果

農水省の価値観(守り+地域)

  • 地域連携
  • 国産原料
  • 供給体制の強化
  • 衛生仕様(HACCP・FSSC)
  • 地域への波及効果

食品工場が行う投資(供給・衛生・原料連携)は、農水省の評価軸と自然に一致する。

賃上げ要件という“食品工場にとって最大の分岐点”

3-1 経産省補助金は賃上げがほぼ必須

  • ものづくり補助金:時給引上げ要件が義務化
  • 大規模成長投資補助金:賃上げが成果指標に組み込まれやすい

賃上げ目標未達の場合、

  • 返還
  • 行政報告の長期化
    などのリスクがある。

3-2 食品メーカーにとって賃上げ要件は重い経営課題となっている

そこには構造的な理由がある。

  • 原材料高騰で利益率が硬直
  • 価格転嫁が難しい
  • 労務割合が高く、給与UPが直撃

つまり、食品産業の特性上 賃上げ要件はリスクが大きい

3-3 農水省補助金は賃上げ要件がない

農水省の目的は「供給力・地域循環」であり、賃上げを強制する設計になっていない。
食品メーカーにとって申請しやすい理由のひとつである。

補助金の“両極化”が進み、中間ゾーンが消えている(超重要)

補助金市場は近年、極端に二分化している。

4-1 小規模補助金(小さすぎる)

  • 小規模事業者持続化補助金:〜200万円
  • ものづくり補助金:〜2,000万円

食品工場の投資規模(3,000万〜1億)には全く足りない。

4-2 超大型補助金(大きすぎる)

  • 大規模成長投資補助金(数十億クラス)
    食品メーカーが通常行う投資とは桁が違いすぎる。

4-3 経産省には“1〜10億円”の中間レンジが実質ほぼ存在しない

食品工場の典型的な投資サイズこそ、この1〜10億円レンジなのに、制度はスカスカ。

この「中間ゾーンの空白」が、食品工場が経産省補助金を使いづらい最大の理由になっていると言える。

農水省補助金だけが中間ゾーンをカバーしている(ここが最大の強み)

「数千万〜10億円未満の事業も柔軟に対応」

これが農水省補助金の特徴である。

実際、

  • 冷凍スムージー工場:2億円
  • 老朽工場の建替+包装機:1.2億円
  • 地元原料ペースト加工:5億円

といった採択例がある。

食品メーカーのリアルな投資レンジがそのまま農水省補助金の射程に収まると言える。

最終判断:食品工場はどちらを選ぶべきか?

迷ったときの判断軸はこれだけでOK。

● 農水省補助金が向くケース

  • HACCP・衛生仕様工場
  • 冷凍・一次加工ライン
  • 地元原料の活用
  • 地域との連携
  • 1〜10億円レンジの投資
  • 賃上げ要件のリスクを避けたい

● 経産省補助金が向くケース

  • DX・IoT・自動化システム
  • 巨大ラインの刷新
  • 利益率が高く、賃上げ要件を吸収できる
  • 10億〜50億以上の大型投資

つまり、ほとんどの食品メーカーは農水省側に適合すると言える。

まとめ:食品工場に向いている補助金はどっち?

中規模(1〜10億円)の工場投資にフィットする補助金は、農水省系だけ。
経産省は「小さすぎる or 大きすぎる」制度が中心で、食品工場の投資構造とは噛み合いにくい。 だから食品メーカーの8割以上は、農水省補助金を中心に戦略を組むのが合理的である。

Q&A

Q. 食品工場は経産省補助金でも採択されますか?
A. DX・自動化・大型ライン更新など、“高度化投資”の場合なら可能です。
ただし賃上げ要件と投資規模がハードルになりやすく、食品工場には不向きなケースが多いです。

Q. 1〜10億円の工場投資に使える補助金は?
A. うまくフィットするのは農林水産省系の補助金であると言えます。

Q. 農水省補助金は小さい工場でも使えますか?
A. はい。数千万〜1億前後の設備投資にも対応しています。

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✍️ この記事を書いた人

北條竜太郎|株式会社アカネサス 代表取締役

老舗どら焼きメーカー・茜丸を再建(22億円の債務を15年で完済)した経験から、

食品メーカー向けコンサルティング会社を設立。

補助金申請・工場設計・システム開発で食品製造業の成長を支援。

【会社実績】

・支援プロジェクト総事業費:363億円

・補助金採択額:126.5億円

・北海道から沖縄まで全国対応

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https://timerex.net/s/rhojyo/e76c8415

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