【食品工場省エネ対策シリーズ 第3回】食品工場のボイラー・空調・コンプレッサ省エネ戦略 |  今すぐできる運用改善と補助金活用

食品工場のボイラー・空調・コンプレッサ省エネ戦略のアイキャッチ

コンプレッサが止まらず、どこで電気を無駄にしているのかわからない……

ボイラー・空調も含めて見直したいけれど、何から手を付けるべきか迷っている……

この記事では、食品工場の「熱(ボイラー)」と「空気(コンプレッサ・空調)」について、どこを見直すと効果が出やすいのかを、現場でできる改善と補助金の使い方の両方から、できるだけわかりやすく説明していきます! 

この記事でわかること 
  • コンプレッサ・ボイラー・空調が「見直すとすぐ効く」理由とは 
  • エア漏れ、蒸気漏れ、換気制御など「今すぐできる運用改善」 
  • 設備の買い替え・更新時に一緒に検討したい省エネの選択肢 
  • 運用改善の次に考えたい、補助金を使った設備更新の進め方

冷凍・冷蔵設備の次に、工場全体の光熱費に大きく影響しやすいのが「熱(ボイラー)」と「空気(コンプレッサ・空調)」です。これらの設備は、毎日使ううちにムダが見えにくくなり、漏れや設定のズレがそのままコスト増につながりやすいという特徴があります。 

しかし裏を返せば、漏れを止める・圧力や換気を見直す・熱を回収するといった対策が、そのまま利益改善につながりやすい分野でもあります。本記事では、「現場で今すぐできる改善」と、「補助金を活用した更新戦略」を整理して解説していきます。 

まず最初に見直したいのが、電気代への影響が最も大きいコンプレッサです。 

目次

1. コンプレッサ|電気代がかかりやすい圧縮空気のムダを止める 

工場で使う圧縮空気は、つくるのに多くの電気を消費します。コンプレッサで空気を押し縮め、機械を動かす力に変える工程があるためです。そのため、少しの漏れやムダな運転でも電気代が一気に増えやすく、最初に見直したい設備のひとつです。 

まず見るべき3つの改善 

改善テーマ 具体策 期待できる効果の目安 
エア漏れ対策 配管の継手(つなぎ目)・カプラー(着脱式の接続部品)・末端機器(空気を使う機器)の漏れを点検し、シューという音が出る箇所を優先して修理する 工場全体の20〜30%が漏れで消えている例も。補修だけで電気代が数%下がることもあります 
圧力設定の見直し 現場の機械が実際に必要とする圧力を確認し、支障が出ない範囲でできるだけ低く設定し直す 圧力を0.1MPa下げるだけで、消費電力が約7%下がる目安です 
インバータ化 定速機(一定速度で動き続けるタイプ)を負荷追従型(使用量に合わせて自動で回転数を調整するタイプ)に切り替え、不要なフル回転を減らす 電気使用量が30%以上下がることもあります。 
コンプレッサ改善のポイント 

コンプレッサは、新しい機械に入れ替える前でも、「漏れ」「圧力」「動かし方」の3つを見直すだけで効果が出やすい設備です。漏れがどのくらいあるかは、夜間や工場が止まっている時間帯に圧力がどれだけ下がるかを見ると、専門的な測定器がなくてもおおよその情報をつかむことができます

それではコンプレッサの次に見直したいのが、燃料代に直結するボイラー・蒸気系です。 

2. ボイラー・蒸気系|「熱」を捨てない設計にする 

蒸気をそのまま逃がしてしまうと、燃料代は思っている以上にかさみます。ボイラー改善の基本は、蒸気を漏らさないことと、使い終わった熱を捨てずに再利用することです。この2点を押さえるだけでも、大きな設備投資をしなくても効果が出やすくなります。 

見直したい2つのポイント 

改善テーマ 何をするか 期待できる効果の目安 
スチームトラップ点検 1年以上点検していない配管から優先して確認し、故障や蒸気漏れのあるトラップを交換する 2〜3割が故障している例も。交換だけで数ヶ月で回収できるケースがある 
排熱回収 ボイラーの排ガスやコンプレッサの熱を、給水の予熱や給湯にもう一度使う 熱を捨てずに回すことで、燃料代が10〜20%削減できる可能性がある 

※スチームトラップ (蒸気配管の水抜き用の部品) 

ボイラー改善のポイント 

ボイラー改善の基本は、蒸気を漏らさないことと、使い終わった熱を捨てずに再利用することです。特に、コンプレッサが動くときに出る熱をボイラーの水を温めるためだけに使うことができると、燃料代をさらに下げやすくなります。このように、ボイラー・コンプレッサ・空調は互いに熱や空気のやりとりがある設備です。ひとつずつ個別に見直すよりも、つながりを意識してまとめて考えた方が、改善の効果が大きくなります。 

熱のムダを止めたら、次は「空気のムダ」です。空調は工場全体を一律に動かしやすい分、見直しの効果が出やすい設備でもあります。 

3. 空調|「必要な場所だけ」冷やして負荷を下げる 

広い工場ほど効く考え方 

改善テーマ 考え方 期待できる効果 
ゾーン空調 工場全体ではなく、ラインまわりなど必要な場所だけを冷やす 不要な空間の空調を減らし、負荷を下げやすい 
スポット空調 作業者や発熱源に狙いを絞って冷却する 快適性を確保しながら、全体空調の過剰運転を防ぐ 
外気導入 コントロール CO2センサーなどを使い、人がいる時に必要な量だけ換気する 換気しすぎによる外気負荷を抑え、空調負荷の増大を防ぐ 

工場全体を一律に冷やすのではなく、必要な場所と時間に絞って空調することで、ムダな運転を減らしやすくなります。 

空調見直しのポイント 

空調は「全体を一律に冷やす」から「必要な場所だけ冷やす」に考え方を変えるだけで、電気の使い方は大きく変わります。品質管理が必要なエリアと、人が作業するエリアを優先し、それ以外は絞る。それだけでムダな運転を減らせます! 

ここまでの3つは、今すぐ取り組める運用改善でした。これらの設備はつながりがあるので、まとめて見直すほど効果が大きくなります。 

 次に、設備を更新するタイミングで使える補助金の選び方を整理します。 

4. どの補助金が使える?更新テーマ別での選び方 

補助金は、何をしたいかによって選ぶ制度が変わります。「機械を単体で入れ替えたいのか」「複数の設備をまとめて見直したいのか」「CO2削減まで進めたいのか」の3つで考えると、自社に合った補助金が見つけやすくなります。 

更新テーマ 有力な補助金 向いているケース 
コンプレッサ・空調の 単純更新 経済産業省 「省エネ補助金(設備単位型)」 高効率の機種に入れ替えたい時 
排熱回収など設備間連携 経済産業省 「省エネ補助金(事業場型)」 工場全体で省エネの仕組みをつくりたい時 
ボイラーの燃料転換・ ヒートポンプ化 環境省系補助金 省エネとCO2削減をまとめて進めたい時 
補助金選定のポイント 

迷ったときは、まず「やりたいこと」を上の表で確認してみてください。単体の更新か、設備間をまとめてか、CO2削減まで進めるかで、申請先が自然に絞れてきます。 

補助金の方向性が見えたら、あとは動きだすだけです! 

最後に、この記事のポイントを整理していきましょう! 

まとめ 

ボイラー・空調・コンプレッサは、「漏れを止める → 熱を活かす → 必要な場所だけ動かす」という流れで一緒に考えると、効果が大きくなります! 

  • まずエア漏れ・蒸気漏れを点検して止める  
  • 設備を更新するときは排熱回収・インバータ化・ヒートポンプ化を一緒に検討する  
  • 複数の設備をまとめて見直すと、省エネ効果も補助金申請もまとめて進めやすくなる 
次回予告 

第4回は「太陽光発電と蓄電池」をテーマに、電気代の削減と停電時のリスク対策を取り上げます。初期費用をどう考えるか、本当に自社に合うかどうかを判断するポイントをわかりやすく説明します。

✍️ この記事を書いた人

北條 竜太郎(ほうじょう りゅうたろう)|株式会社アカネサス 代表取締役

老舗どら焼きメーカー・茜丸を再建(22億円の債務を15年で完済)した経験から、

食品メーカー向けコンサルティング会社を設立。

補助金申請・工場設計・システム開発で食品製造業の成長を支援。

【会社実績】

・支援プロジェクト総事業費:363億円

・補助金採択額:126.5億円

・北海道から沖縄まで全国対応

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https://timerex.net/s/rhojyo/cac92d1d

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