【事業再構築の後継】新事業進出補助金 × 食品メーカー|最大9,000万円・採択率51%【2026年】 

新事業進出補助金 × 食品メーカーのアイキャッチ
専門家

「事業再構築補助金が終わってしまった…次は何を使えばいいのか」と困っていませんか。 

専門家

その後継として登場した「新事業進出補助金」は、製造業の採択率が51%と高く、食品メーカーにとって今が狙い目です。 

コロナ禍の業態転換を支えた「事業再構築補助金」が終了し、その受け皿として「新事業進出補助金」がスタートしました。製造業の採択率は51.9%と、全体平均(37.2%)を大きく上回っています。この記事では、事業再構築補助金との違いから、補助額・採択率・申請スケジュール・必要書類・売上計画の立て方まで、食品メーカーが押さえるべきポイントを解説します。

なお、この制度は令和8年度(2026年度)より『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金』の「新事業進出枠」に統合されています。本記事では、統合前の制度と第1回公募(2025年)のデータをもとに、新事業進出枠の基本をわかりやすく解説します。 

📋この記事でわかること 
  • 第1章:事業再構築補助金の後継「新事業進出補助金」とは 
  • 第2章:【比較表】事業再構築 vs 新事業進出|何が変わった? 
  • 第3章:補助率・上限額|従業員規模別の早見表 
  • 第4章:採択率|製造業51%が狙い目な理由 
  • 第5章:【タイムライン】申請スケジュール 
  • 第6章:【チェックリスト】必要書類一覧 
  • 第7章:対象経費|必須要件に注意 
  • 第8章:採択事例|食品メーカー5つのテーマ 
  • 第9章:採択・不採択の分かれ目 
  • 第10章:売上計画|「10%ルール」とは 
  • 第11章:よくある質問(FAQ) 
  • まとめ:事業再構築の後継、今がチャンス 
目次

🔄第1章:事業再構築補助金の後継「新事業進出補助金」とは 

事業再構築補助金が終了した経緯 

コロナ禍での業態転換を支援してきた「事業再構築補助金」は、2024年度で終了しました。しかし「新しい事業に挑戦したい」という中小企業のニーズは依然として高く、その受け皿として登場したのが「新事業進出補助金(中小企業新事業進出促進事業)」です。 

新事業進出補助金の目的 

新事業進出補助金は、既存事業とは異なる「新事業」への進出を支援する制度です。 

制度の目的 

新市場・高付加価値分野への展開を通じて、付加価値・生産性を高め、賃上げにつなげる。 

食品メーカーとの相性 

新事業進出補助金は、食品メーカーの「新事業」と非常に相性が良い制度です。次のような取り組みが典型的な活用シーンとして想定されています。 

取り組み 内容 
新ブランドの立ち上げ 自社の新しいブランドを立ち上げ、新市場を狙う 
新カテゴリー商品の製造ライン構築 冷凍・レトルト・健康食品など、新カテゴリーの製造ラインを導入する 
新拠点工場の設立 新事業のための新しい工場・拠点をつくる 
自社ブランドEC・D2C事業の開始 D2C(メーカーが消費者に直接販売する形態)で自社ブランドを展開する 

事業再構築補助金よりも要件が緩和され、申請しやすくなったと評価されています。 

⚖️第2章:【比較表】事業再構築 vs 新事業進出|何が変わった? 

「事業再構築補助金と何が違うのか」という疑問に答えるため、主な違いを次の表にまとめました。 

項目 事業再構築補助金(終了) 新事業進出補助金(後継) 
制度の目的 コロナ禍からの業態転換 新市場・高付加価値分野への進出 
売上減少要件 必要(10%以上減少など) 不要(緩和) 
補助上限 最大1.5億円(大規模枠) 最大9,000万円 
補助率 1/2〜2/3 1/2(大幅賃上げで上限額が上乗せ) 
対象経費 建物・設備・広告等 建物・設備・広告等(ほぼ同等) 
必須経費 明確な必須なし 機械装置 or 建物費が必須 
新事業売上要件 類似の要件あり 最終年度に売上10%以上 など 
採択率 40〜50%(時期による) 全体37%、製造業51% 
✨最大のポイント:売上減少要件がなくなった 

事業再構築補助金では「売上10%以上減少」などの要件がありましたが、新事業進出補助金では売上減少要件は不要です。 

→ 業績が好調な食品メーカーでも申請できるようになりました。 

⚠️ 注意点:機械装置 or 建物費が必須 

新事業進出補助金では、「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかが必ず含まれている必要があります。広告費や調査費だけの計画はNGです。 ただし、食品メーカーの新事業は通常、製造ラインや設備投資を伴うため、この要件はクリアしやすいでしょう。 

💰第3章:補助率・上限額|従業員規模別の早見表 

補助率は原則1/2で、補助上限額は従業員規模に応じて決まります。さらに、一定の賃上げ(大幅賃上げ特例)を行う場合は、上限額が上乗せされます。 

従業員規模 補助上限(通常) 大幅賃上げ特例時 補助率 
20人以下 2,500万円 3,000万円 1/2 
21〜50人 4,000万円 5,000万円 1/2 
51〜100人 5,500万円 7,000万円 1/2 
101人以上 7,000万円 9,000万円 1/2 

※ 「最大9,000万円」は、従業員101人以上で大幅賃上げ特例を満たす場合の上限です。補助率は1/2で、賃上げによって引き上げられるのは補助率ではなく「上限額」です。 

食品メーカーの投資イメージ 

食品メーカーが新事業進出補助金を活用する場合、次のような投資が想定されます。 

投資の種類 具体例 
新商品の製造ライン導入 冷凍食品・レトルト・植物由来食品など 
工場改修・新工場の設立 新事業に対応した設備・拠点の整備 
自社ブランドECの構築 消費者に直接届ける販売チャネルの立ち上げ 
新店舗・新拠点の開設 新市場に向けた販売・製造拠点 
新ビジネスモデルの構築 クラウドサービスやシステム構築を含む新しい事業モデル 

📊第4章:採択率|製造業51%が狙い目な理由 

第1回公募の採択率データ 

2025年の第1回公募(採択結果は2025年10月に公表)では、次の結果となりました。数値で見ると、製造業の高さが際立ちます。 

区分 採択率 水準 
全体 37.2% ████████░░░░░░░░░░░░░
製造業 51.9% ███████████░░░░░░░░░

製造業の採択率は51.9%と、全体平均37.2%を大きく上回っています。 

なぜ製造業が有利なのか? 

製造業の採択率が高い理由は、次のように考えられます。 

製造業が有利な理由 ポイント 
必須要件との親和性 「機械装置・建物費が必須」という要件と相性が良い 
効果を数値化しやすい 設備投資による生産性向上を数字で示しやすい 
展開ストーリーを描きやすい 新製品・新市場への展開が説明しやすい 
賃上げと結びつけやすい 賃上げ・付加価値向上との因果関係を説明しやすい 

食品メーカーは製造業に分類されるため、この恩恵を受けやすい立場にあります。 

📅第5章:【タイムライン】申請スケジュール 

「いつまでに何をすればいいのか」を、申請から補助金入金までの全体スケジュールで整理しました。 

STEP 時期の目安 やること 
STEP1 準備 公募開始の2〜3か月前 事業計画の骨子作成、設備・建物の見積取得、GビズIDの取得 
STEP2 申請 公募開始〜締切(約1〜2か月) 申請書類の作成・提出、電子申請(jGrants) 
STEP3 審査 締切後 約2〜3か月 書類審査、必要に応じて面接・ヒアリング 
STEP4 採択発表 審査終了後 採択・不採択の通知、交付申請の準備 
STEP5 交付決定 採択後 約1か月 交付申請→交付決定。この後から発注可能 
STEP6 事業実施 交付決定〜完了(約6か月〜1年) 設備発注・導入、事業の実施 
STEP7 実績報告 事業完了後 約1か月以内 実績報告書の提出、確定検査 
STEP8 補助金入金 実績報告後 約1〜2か月 補助金の振込 
⚠️重要:GビズIDの取得に2〜3週間かかります 

GビズID(行政手続をオンラインで行うためのID)の取得には2〜3週間かかります。公募開始を待ってから取得しようとすると、間に合わない可能性があります。まだ取得していない方は、今すぐ申請してください。 

📋第6章:【チェックリスト】必要書類一覧 

申請に必要な書類を、チェックリスト形式でまとめました。早めに準備を始めましょう。 

区分 必要書類 備考 
基本 ☐ 事業計画書 新事業の内容、市場性、実施体制、数値計画を記載 
 ☐ 決算書(直近2期分) 貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書 
 ☐ 法人事業概況説明書 確定申告時に提出しているもの 
 ☐ 従業員数を確認できる書類 労働保険概算・確定保険料申告書など 
経費 ☐ 見積書(2社以上) 50万円以上の経費は相見積が必要 
 ☐ 設備・建物の仕様書 機械装置、建物の詳細仕様 
 ☐ 建物の図面(該当する場合) 新築・改修の場合 
その他 ☐ GビズIDプライムアカウント 電子申請に必須、取得に2〜3週間 
 ☐ 履歴事項全部証明書 発行後3か月以内のもの 
 ☐ 賃金台帳(該当する場合) 賃上げ要件を満たす場合 
💡ポイント

見積書は50万円以上の経費について「2社以上」が必要です。設備メーカーへの見積依頼は早めに行いましょう。 

💳第7章:対象経費|必須要件に注意 

新事業進出補助金の対象経費は幅広いですが、必須要件があります。 

区分 対象になる経費 
⚠️ 必須(いずれか) 機械装置・システム構築費 / 建物費 
✓ 設備関連 機械装置、製造ライン、冷凍・冷蔵設備、検査装置など 
✓ 建物関連 新工場建設、改修工事、クリーンルーム整備など 
✓ IT・システム EC構築、受発注システム、クラウドサービス利用費など 
✓ 販促・広告 広告宣伝費、販売促進費、展示会出展費など 
✓ その他 技術導入費、知的財産権関連、外注費、専門家経費など 
⚠️ 落とし穴 

「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかが必ず必要です。広告費・調査費だけの計画は申請できません。 

🏆第8章:採択事例|食品メーカー5つのテーマ 

実際に採択されている(または採択されやすい)食品メーカーのテーマを5つ紹介します。自社の新事業を考えるヒントにしてください。 

テーマ 内容の方向性 
🧊テーマ1:冷凍食品への展開 常温・チルド中心のメーカーが、冷凍設備を導入して冷凍食品市場へ参入する 
🛒テーマ2:D2C・EC事業 卸中心の販売から、自社ECで消費者に直接届けるモデルへ広げる 
💪テーマ3:健康食品・機能性食品 既存の製造技術を活かし、機能性表示食品など高付加価値分野へ進出する 
🌾テーマ4:地域資源のブランド化 地域の原料・特産を使った新ブランドを立ち上げ、新市場を開拓する 
📱テーマ5:DX+新チャネル システム構築を伴う新しいビジネスモデル(サブスク・受注生産など)を始める 

⚖️第9章:採択・不採択の分かれ目 

採択される計画と不採択になる計画には、明確な違いがあります。両者を並べて比較しました。 

✅ 採択される計画の特徴 ❌ 不採択になりやすい計画の特徴 
既存事業との違いが明確(新製品×新市場)
市場規模・成長性を具体的な数値で示している
売上計画の根拠が論理的(単価×数量×チャネル)
設備投資と生産性向上の因果関係が明確 
賃上げ計画が具体的(金額・時期・対象者) 
既存事業の延長線上にしか見えない
市場調査が甘い(「○○は成長市場」だけ)
売上計画が願望ベース(根拠なく「3年で3倍」など)
設備導入が目的化している(手段と目的が逆転)
経費の見積が1社のみ、または根拠が不明確 

審査員が見ているポイント 

審査では、次の4つの観点が重視されます。 

審査の観点 審査員が見ているところ 
新規性 既存事業との違いが明確か 
市場性 ターゲット市場の規模・成長性に根拠があるか 
実現可能性 計画を実行できる体制・資金力があるか 
効果 付加価値向上・賃上げにつながるか 

📈第10章:売上計画|「10%ルール」とは 

新事業進出補助金には、売上計画に関する必須要件があります。ここを外すと計画そのものが通らないため、しっかり押さえましょう。 

⚠️ 必須要件:新事業売上10%以上 

事業計画期間の最終年度において、新事業の売上高が総売上高の10%以上、または新事業の付加価値額が総付加価値額の15%以上を占める必要があります。

※ この要件を満たさない計画は門前払いになります。 

年商別の売上計画の目安 

自社の年商をもとに、新事業でどのくらいの売上を計画すればよいかの目安の一覧表です。 

現在の年商 最低ライン(10%) 推奨ライン(20〜30%) 備考 
年商3億円 3,000万円以上 6,000〜9,000万円 商品単価×販売数量から逆算 
年商5億円 5,000万円以上 1億〜1億5,000万円 第二の柱レベルの規模感 
年商10億円 1億円以上 1億5,000万円〜3億円 本格的な新事業として設計 
🚫 注意点:盛りすぎはNG 

数字を盛りすぎると、「実現可能性」「資金繰り」の観点で逆にマイナス評価になります。「10%は確実に超えるが、根拠と整合性を持って達成できるライン」に落とし込むことが重要です。 

❓第11章:よくある質問(FAQ) 

Q1. OEM中心の食品メーカーでも申請できますか? 

はい、申請できます。OEM(相手先ブランドによる製造)から自社ブランド商品への展開は「新事業進出」の典型例です。既存のOEM事業との違いを明確に説明できれば、むしろ採択されやすいテーマといえます。

Q2.ものづくり補助金と統合されたそうですが、どの「枠」を選べばいいですか? 

新事業進出補助金とものづくり補助金は、令和8年度(2026年度)より『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金』に統合されました。今は申請枠を目的に合わせて選ぶ形になります。主な枠は、①革新的新製品・サービス枠(旧ものづくり補助金に近く、生産性向上が目的。建物費は対象外)、②新事業進出枠(旧・新事業進出補助金に近く、新市場・高付加価値分野への進出が目的。建物費・広告費も対象)、③グローバル枠(輸出向けの取り組みが対象)です。枠ごとに補助額・要件が異なるため、最新の公募要領で確認してください。

Q3. 次回の公募はいつですか? 

年に複数回の公募が予定されています。具体的な日程は公式サイトで発表されます。早めに計画を策定し、準備を進めておくことをお勧めします。 

Q4. 採択から入金までどのくらいかかりますか? 

一般的に、採択後に交付決定を受け、事業実施(設備導入など)、実績報告を経て補助金が入金されます。全体で1年〜1年半程度かかるケースが多く、資金繰りを考慮した計画が重要です。 

Q5. 他の補助金との併用は可能ですか? 

A. 同一の経費に対して複数の補助金を重複して受けることはできません。ただし、異なる経費・事業として整理すれば、他の補助金と組み合わせることは可能です。 

📌まとめ:事業再構築の後継、今がチャンス 

✅ この記事のポイント 

✓ 事業再構築補助金が終了 → 後継「新事業進出補助金」がスタート 

✓ 売上減少要件がなくなり、業績好調な企業も申請できる 

✓ 製造業の採択率は51%と高水準(全体37%) 

✓ 補助上限は最大9,000万円、補助率は1/2(大幅賃上げで上限額が上乗せ) 

✓ GビズID取得・見積取得など、早めの準備が採択のカギ 

事業再構築補助金の後継として登場した新事業進出補助金は、食品メーカーにとって非常に使いやすい制度です。特に「新ブランド立ち上げ」「新カテゴリー商品の製造」「D2C・EC事業への進出」を検討している企業は、ぜひ活用を検討してください。 

 🎯無料相談のご案内 

「自社の新事業が対象になるか確認したい」「売上計画の立て方をサポートしてほしい」という方は、お気軽にご相談ください。30分のオンライン相談で、新事業の方向性と補助金活用の可能性を無料で診断します。 

※ 本記事は、統合前の「新事業進出補助金」と第1回公募(2025年)の公表データをもとに解説しています。この制度は令和8年度(2026年度)より『新事業進出・ものづくり商業サービス補助金』の「新事業進出枠」に統合されているため、補助額・要件・公募日程は最新の公募要領(中小企業庁・事務局の公式サイト)で必ずご確認ください。 

✍️ この記事を書いた人

北條 竜太郎(ほうじょう りゅうたろう)|株式会社アカネサス 代表取締役

老舗どら焼きメーカー・茜丸を再建(22億円の債務を15年で完済)した経験から、

食品メーカー向けコンサルティング会社を設立。

補助金申請・工場設計・システム開発で食品製造業の成長を支援。

【会社実績】

・支援プロジェクト総事業費:363億円

・補助金採択額:126.5億円

・北海道から沖縄まで全国対応

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次